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2012年度3年生第2課題ランドスケープデザインコース
3年生ランドスケープデザインコース「都市をデザインする。空間をプロデュースする」の課題と参考作品、また出題者の柘植先生のコメントをご紹介いたします。

講評の様子
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担当:柘植喜治非常勤講師(奥) 講評ゲスト:吉村純一教授(手前)
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(tani)



《課題文》
空間プロデューサーの視点からランドスケープを広義に捉え、アーバンデザイン、プラニング、建築群、緑地計画から都市施設計画、業態開発等ソフトプログラム、サイトファニチャー、夜景計画まで総合的なデザイン手法の習得を目指す。特に空間デザインとプロデュースの手法に着目して、舞台芸術や映画作りに於けるシーンや景観デザインなど人間の体験としての空間表現の実技解説と、それをプレゼンテーションできる人材の育成を目指す。講義では海外の事例を多数用いて都市・環境デザインの先端理論や計画手法を紹介する。

以下の二地域から選択して未来日本の景を提案する。

◆ 福島第一原発周辺無人地帯
放射能汚染により居住不可能なな絶望の地に希望を呼び戻す世界観を構想する。
生物多様性や低炭素社会などエココンシャス風景を次の時代を担う子供たちにプレゼントする。
ウィンドファームやメガソーラなど機械工学がつくるテクノスケープを美大ならではの風景としてリデザインする。

◆ 東京スカイツリー周辺街区
向島や京島など江戸の風情が残る墨田区の木造密集市街地に新たな都市の景を構想する。
新宿区港区など東京の西とは異なるを東京の東の生活、文化、活動をプロデュースする。
首都直下型地震の際の大規模火災や海抜0メートル地帯の津波被害を克服する安心安全を可視化する。

《参考作品及びコメント》
チームふくしま(青山/江口/黒沢/佐藤(美)/高野/立川/横田(華)/横田(経))
◆ 福島第一原発周辺無人地帯
放射能汚染により居住不可能なな絶望の地に希望を呼び戻す世界観を構想する。生物多様性や低炭素社会などエココンシャス風景を次の時代を担う子供たちにプレゼントする。ウィンドファームやメガソーラなど機械工学がつくるテクノスケープを美大ならではの風景としてリデザインする。こうした課題の条件に対し、チームフクシマの青山、江口、黒沢、佐藤、高野、立川、横田、横田は10万年後の未来を提案した。10万年とは2011年に汚染された土地から完全に放射能が消える日であるという説得力ある解答だ。遥かな未来を構想しようとする学生ならではの発想が素晴らしい。また10万年のプロセスを年表で表現した点も特筆できる。そして途中の段階を空間デザインとして表現した。少女を主人公にしたシナリオをもとに物語をデザインとして表現、空間インスタレーションによる光と音で表現したプレゼンテーションは感動的だった。そして何より、自分で使うエネルギーは自分で作るなど、人任せにしない人間社会のあありかたに立脚した風景のデザインと、極小の循環システムを目指すコミュニティプラニングなど都市デザインの先端的理論をも超えるロジックは、非常に高く評価できる。現在の絶望を未来の希望を変換するまさに今の日本が最も必要とする提案である。
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sumida ni sumuda(大豆生田/加賀谷/北村/高嶋/庭野/正木/松野/丸山)
◆ 東京スカイツリー近隣街区
向島や京島など江戸の風情が残る墨田区の木造密集市街地に新たな都市の景を構想する。新宿区港区など東京の西とは異なるを東京の東の生活、文化、活動をプロデュースする。首都直下型地震の際の大規模火災や海抜0メートル地帯の津波被害を克服する安心安全を可視化する。以上の課題条件に対し、チームTHE墨田の大豆生田、加賀谷、北村、高嶋、庭野、正木、松野、丸山は、図面、模型、スケッチ、アニメ、フォトモなどチームによる分担作業によっていメディアミックス的なプレゼンテーションを演出した。錯視による京島の商店街の模型は素晴らしく、特に既存の木造密集市街地や路地の価値を見直し未来社会への可能性としてを保存しながら利活用する提案は素晴らしい。
また「安全」とは、墨田固有の人任せにしないおせっかいな江戸下町「人情」と「人の目」でありこれを重視した街路のアクティビティをデザイン、さらに「危険」とはスカイツリー建設によって開発圧力をかける大手デベロッパーであるというストーリーを乱暴だが心優しい「北斗の拳」として表現したアニメ的な動画プレゼンテーションは非常に訴求力がある。日本が明治維新以後歩んだ産業化社会や近代主義的な価値観を再評価、下町にのこる江戸文化を空間デザインとして可視化した力作である。
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by edd-news | 2012-08-24 14:23 | Grade 3
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