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2013年度3年生第2課題 インテリア・建築コース 住まいー解放する空間ーアーティストの為の長屋
2013年度 デザイン3 第2課題
インテリア・建築デザインコース

住まいー解放する空間ーアーティストの為の長屋

担当:富樫克彦先生、八島夕子先生


課題および、参考作品、メイン担当の富樫先生からのコメントをご紹介します。


講評風景
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【 課 題 】
日常空間—私達が普段格別意識することなく、過ごしている時間や空間には、無意識に我々の身体や精神を従わせる仕組みを持つものがある。
であるなら、日常の空間、仕組みを意図的に変えることで、我々の身体や精神を解放する空間を得られるのではないか。
ここでは、身体と空間のヴォリュームに注意をはらいながら、生活する楽しみを見いだせるものを作って欲しい。尚、この空間では置かれる家具までもイメージして欲しい。これは次の家具の課題につながるものです。


【 総 評 】
仮想のアーティストと職業を想定してからこの課題は始まる。各々が選択した人の生活や仕事に想いを巡らし、分析し組み立てる。住み手から何を抽出するのかを問うている。毎回この作業の繰り返しだ。今年は現存するアーティストを選んだ人が多かったためか、現実的なプランが多く出たように思う。まったく仮想のアーティストを想定するとこうも現実的なものにはならない。イメージが妄想になるような破天荒なもの、プランが破綻したものも現われるのだが今回は無かった。上手く物語が出来ているという印象が残った。




◎岡 美里 『僕の記憶は80分しかもたない』数学者とその義姉の家
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小川洋子のベストセラー小説「博士の愛した数式」を題材に選んでいる。話の中で詳しく描写されている登場人物達の性格や背景、それを空間の中にどう納めるか・・興味深いことであった。近い関係でありながら、あえて距離をとったように見える2つの住宅。最低限の見守りのために目立たないように設けられた階段が示す義姉の複雑な愛情。壺中天の日常の穏やかな空間をよく読み解いている。




◎鈴木 まなみ 『お茶インストラクターのための住まい』
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光も欲しい、緑も欲しい等、アイディアの多い人ほど陥る道がある。提案したプランが抱える矛盾にどっぷり浸かりながら四苦八苦していたが、ある時ツンと抜けた瞬間があった。主人のオーディオルームの在り方の概念を変えた事でそれは起こった。「音楽は個人で独占せず、皆で楽しむ」これだけである。問題が解消された後はそれぞれの場の関係が滑らかになり、魅力のある空間が出現している。




◎武井 眞乃 『女性英語塾の家』
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子供に英語を教える「場」は日常の生活の中にもあるはずだ。このコンセプトに基づいたものが作品の中にいっぱい詰まっている。料理をしている時、皆で食べる時、遊びの中からも英語は学べる。勿論机に向かって教科書を開いても。そんな伸び伸びとした空間とプライベートな空間が無理無く融合しているのは、微妙にずらした目線の操作など巧みな計画にある。




◎中川 愛理 『CMディレクター・音楽プロデューサー』
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CMディレクターと音楽プロデューサーという異なった職能の夫婦の住宅。各々に必要な部屋がこの中に上手くはめ込まれているという感じがある。特別に仕掛けたものは無いが、部屋と部屋との関係、間合いの取り方とでも言おうかそれらが滑らかなのである。子供の部屋から屋上に出る梯子段など遊びも設けてあっていい。強いて言えば、手慣れた人の仕事を見るようで危なっかしい所がないのが不満と言えば不満である。贅沢な不満でもある。




◎伏見 百代 『風鈴作家のための長屋』
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思い切ってとった1階の「通り庭」がこの計画を魅力あるものに変えた鍵となった。町家なら庭になる場所に独立したような作業場を設けている。しかもその軸線を少しずらすことで空間的な膨らみができ、何とはなく人が立ち話をするような「たまり」が作れたように思う。2・3階の住居も狭いながらも下町のスケール感で上手く纏めた。風呂上がりのビールは作業場の屋上でというところも何やら楽しげではないか。




◎岸 雄太 『時計師の家』
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特別な存在の時計師だという。ここでは集中して仕事に向かえる環境作りを人工的なものや外界と遮断する方法は取っていない。自然の波動が伝わるもの、緩やかに流れる時間が感じられるものを選んでいる。1階に設けた水盤は風を通し、光を反射し刻を示す。さざ波が立ち、そこにできる「揺らぎ」は心地良さを時計師に与えるだろう。現実的に考えると室内の水の扱いには問題が多い、とは言え解決する方法はある。人と揺らぎの関係に着目したところを評価する。




もうひとつの長屋課題が見たい方はこちら
 ▷ 商業店舗ー解放する空間—長屋







(kta)
by edd-news | 2013-09-04 22:03 | Grade 3
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