S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
デザイン2インテリア第四課題「幸せのカタチ」講評
1月に、藤森泰司非常勤講師と橋本潤准教授ご担当の、デザイン2インテリア第四課題「幸せのカタチ」の講評が行われました。
ゲストに米谷ひろし准教授をお呼びし、大変盛り上がりました!
メイン担当の藤森先生の講評コメントとともに、参考作品をご紹介致します。
b0049355_10582420.jpg

▲講評会風景



総評
毎年、どんな作品が出てくるのか楽しみにしている課題である。総評でも何度か記しているが「幸せのカタチ」という課題には、いわゆる与件がない。自分にとっての「幸せ」とは?という素朴だが難しい問いに向き合う演習である。「デザイン以前」の問いと言えるだろう。
「デザイン」という括弧付きの概念にとらわれず、とにかく伝えたことをどうやって伝えるか?ということに素直に取り組むこと、自分の考えている表現の枠を取り払ってしまうことが、この課題の本質ともいえる。

以下、参考作品のご紹介です。

武松さんの作品 「とんかつを待つ幸せ」▼
b0049355_1103778.jpg

自身が大好きな「とんかつ」について、その何が好きなのかに向き合った作品。表現としては、「とんかつ」そのものではなく、それが作られるのを待つ"状況そのもの"に向き合ったことがうまくいった。「とんかつ」を待つワクワク感を、音そのものと、擬音の視覚化という方法によって見事に表現していた。

大湊さんの作品 「わがままを言えることの幸せ」▼
b0049355_111153.jpg

b0049355_1113261.jpg

”わがままを言えることの幸せ”を表現した作品。つい吐露したくなるちょっとした「わがまま」を文字として読めるか読めないかぎりぎりのラインで抽象化し、一枚の紙を切り抜き、それを空間にスクリーンのように吊り下げた様子は壮観だった。文字が空間化され、光をともないがなら装飾的な美しさを作り上げていた。

田端さんの作品▼
b0049355_1121990.jpg

b0049355_1124392.jpg

「お弁当」をひとつのコミニケーションツールとして表現した作品。「お弁当」を作る側の気持ち、そしてそれを食べる側の気持ちという、双方の微妙な心理をリアルスケールのペーパークラフトの「お弁当」によって描写していた。本物ではなく、ペーパークラフトにすることで、よりシーンが強調され、見る側にさまざまな「お弁当」の(幸せな)記憶を喚起させた。

陶山くんの作品▼
b0049355_1131537.jpg

b0049355_1133136.jpg

紙で何かを作るのが好き…という素直な自身の欲望をとことん表現した作品。紙という平面素材でいかに立体を表現するか?という抽象化のセンスが抜群であった。また、モノだけでなく、それが置いてある周りの空間も紙で表現することで、紙を超えたリアリティを獲得していた。現実の空間が一瞬で漂白され、時間がとまったような魅力的なシーンが生まれた。

宮原さんの作品 「flash-閃-」▼
b0049355_1144278.jpg


Flash、 閃き、という言葉で表現されるような、一瞬のできごと、その瞬間の快楽をシンプルに表現した作品。壁面にたくさん並べられた樹脂製のコップの底に塗料で”膜”を作り、それを指で押すと小気味良く「パンッ」と割れる。その割れ方の気持ち良さは、鑑賞者を理屈抜きでワクワクさせた。

西原くんの作品 「まっさらに触れる」▼
b0049355_1153896.jpg

”まっさらに触れる”というキーワードを具現化した作品。例えば、降り積もったばかりの雪の上を歩く感覚、美しいものを一瞬だけ独り占め出来る喜び、自身のアクションにより環境が変化するちょっとした背徳感をどう表現するかが課題だった。最終的には、スチレンペーパーを細かく裂き、それを大量に机の高さに敷き詰める表現に行き着き、誰も体感したことのない不思議な感触の美しいサーフェスを作り出した。

廣野さんの作品▼
b0049355_1161018.jpg

何人かのクラスメイトとの手紙のやりとりを、手紙の文字の部分をくり抜き、そこに実際に光をあて、壁面に反転した光の文字を浮かび上がらせた。たくさんの手紙の文章が壁面に映し出され、互いに重なる様子はとても幻想的だった。手紙という身体性を持つ小さなコミニケーションツールが、光によって増幅される面白さがあった。

方山さんの作品▼
b0049355_1165844.jpg

「のぞく」という行為に興味を持ち、見る、見られる、という双方の行為を体験出来る空間装置を作った。段ボールで囲われた空間の境界に、紙で作った円錐状の覗き孔を設けることによって、内と外にユニークな「のぞき」の対比が生まれた。単純な方法で視覚をコントロールすることで、日常が違った風景に切り取られる面白さと、それを体験する楽しさが生まれた。装置自体もとても魅力的だった。

芝崎くんの作品▼
b0049355_1173721.jpg

b0049355_1175639.jpg

「きのこ」が好きであること。「きのこ」が生えるということは、目に見えていない地中に養分があること…というイメージを素直に再現した作品。紙粘土でリアルに製作した実物大の「きのこ」を校舎内に大量に生やした。シンプルな表現だが、その数量とリアリティに圧倒された。校舎に「きのこ」が生えるということは、大学自体が生徒達を育てていく生成装置である…という比喩も込められていた。

小山さんの作品 『漫画☆力』▼
b0049355_1183538.jpg

”漫画を読む幸せ”を表現した作品。自身が大好きな、自分の所有している「漫画」の誌面を切り出し、折り紙状にしてブロックを作り、それを大量に集積して漫画を読む人物を含めた風景を描き出した。好きなものに熱中しすぎて自分が消えていき、自分が漫画そのものになってしまうという快楽、ちょっと怖さもともなった迫力があった。

須田さんの作品 「きみのそばにもひそんでる?」▼
b0049355_1191448.jpg

b0049355_1193247.jpg

b0049355_1194873.jpg

「らくがき」がテーマの作品。自身が生み出したキャラクターを、クラスメイトが過ごすスタジオ内のあるゆる場所に書き込んだ。「らくがき」のキャラクターは二次元の絵から、小さな立体のキャラクターになり、それらも「らくがき」のようにスタジオにちりばめられた。キャラクターは、ちゃんとストーリーとして日常に溶け込んでおり、何気ない風景にコントラストを生みだした。

安藤鋼介くんの作品 「OCCMT (オーカム)」▼
b0049355_1110168.jpg

b0049355_11103476.jpg

親しい人達に料理を作ってもてなす喜びを表現した作品。表現としては、自身がケータリングを行うための「オカモチ」をデザインした。その「オカモチ」をどのように使用するのかを実際に再現すること、つまりは料理(らーめん)を作って講師陣をもてなした。「オカモチ」に象徴される、おもてなしの行為がストーリーとしてとても良く出来ていた。人を喜ばせたい、そしてそれを実践しているときの幸福感が素直に伝わってきた。

佐藤くんの作品 「指紋(きおく)」▼
b0049355_11112633.jpg

b0049355_11114498.jpg

b0049355_1112299.jpg

痕跡を残すこと、存在すること、そうした幸せへの自身のキーワードを「指紋」という切り口で表現した作品。大きな黒い壁面を立ち上げ、そこに自分の「指紋」を白い塗料で大量に痕跡として描いた。「指紋」は、その数の多さから、もはや「指紋」から解き放たれ、マリンスノーのような自然現象を連想させる空間を生み出した。また、そうしてテクスチャーとなった「指紋」を、壁面の手前にセッティングしてあるレンズによって再認識させるというアイディアも効いていた。

以下、特別賞の作品の紹介です。

藤森賞
葉玉さんの作品▼
b0049355_16423134.jpg


米谷賞
泉さんの作品▼
b0049355_16431869.jpg


橋本賞
西脇くんの作品▼
b0049355_1643585.jpg


ベスト演技賞
森岡くんの作品▼
b0049355_16443528.jpg


それぞれの作品が、想いや力のこもったもので、担当副手としてもとっても楽しく拝見させて頂いた課題であり、講評会でした。
また、学生のみなさんの、心の中をかいま見られたようで、ドキドキわくわくしました。
この課題での、やりきった経験を3年生の課題でも活かし、頑張って下さいね!

(kh)
by edd-news | 2014-03-25 11:24 | Grade 2
<< デザイン2ランドスケープ第四課... 2014 卒業・修了制作展のお知らせ >>