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藤森泰司非常勤講師、橋本潤准教授ご担当の、デザイン2インテリア第五課題「幸せのカタチ」の講評が行われました。
本課題の総評、及び参考作品、担当教員による個人賞を、メイン担当の藤森非常勤講師のコメントとともに、ご紹介致します。 この課題は、作品展示、演技、空間インスタレーションなど、提出形態の限られていない、環境デザインの課題の中でも、最も自由度の高い課題です。 そんな多種多様な作品が発表された楽しい講評会の様子が少しでも伝われば幸いです。 ▲講評風景 (kh) 課題文: 「日本のかたち」— 幸せのカタチ — 仮設空間とは、空間にかかわる「時」の表現であり、この課題を通じて、“メッセージ性”や“非日常性”について考えていく。デザインの原動力となっている「幸せ」について、あらためて考えてみる。日常の些細なことから夢のようなことまで、それぞれの幸せを分かち合え、共有できるような表現を期待する。具体的なカテゴリーも基本的に設けないことからスタートする。表現者としての原点を感じて欲しい「課題を超えた課題」。 参考作品のご紹介: 長谷川亜子さん「本を読む幸せ」▼ 「本を読む幸せ」を表現した作品。自信の部屋で床に座って本を読むという行為を、本の中の"文字"に注目し、その小さな文字を一文字づつ手作業でカッターで切り出し、本の中から文字そのものが空間へ抜け出していく様子を具現化した。そのありようは、本を読んいる時、その世界観に取り込まれていく快楽そのものとも思えた。文字を手作業で切り出すということでしか伝わってこない表現だった。 鈴木萌々さん「見えることの幸せ」▼ 視力があまり良くないという作者が、世界を"見る"ということの素晴らしさに向き合った「見えることの幸せ」を表現した作品。市販のビニールシートを外部テラスに織物のように連続して吊り下げ、作者自身の体験に基づく視力を矯正するときとしないときの差異を、そこを通り抜ける時の環境の見え方として顕在化させた。何気ないビニールシートが、環境と設置の仕方によって美しい視覚フィルターに変換されていた。 松原理沙子さん「パノラマボックス」▼ パノラマボックスの手法を取り入れ、「絵を描くこと、そして観ることの幸せ」を表現した作品。通常は絵画のように身体(頭)と対面するように設置するパノラマボックスを、覗いたり見上げたりといった、作者が表現する世界観と結びつけた姿勢で鑑賞するように設置した。モノクロの線画で表現したボックス内の世界観と相まって、鑑賞という行為を、より能動的にする装置が生まれていた。 轡田拓也くん「轡田拓也 大切なもの展」▼ 作者が子供のころから大切にしていた日常的な"もの”を、自信の個展/「大切なもの展」として表現した作品。他人から見たら取るに足らない雑多な"もの”達が、それが持つストーリーを丁寧でウィットの効いた文章を添えて展示していた。会場の照度を落とし、天井から吊り下げたステージ上で、スポットライトが当てられた:"もの”達は、日常性からいったん切り離され、とても詩的なオブジェとして存在していた。 島田浩平くん「しわ」▼ 「しわ/皺」に注目した作品。"しわ"という、ともすればマイナスのイメージしかない現象に疑いを持ち、"しわ"そのものが持つ不定形な魅力と美しさを探求した。具体的には、校内の吹き抜け空間にロール紙を重ね合わせて巨大な「紙のしわ」による空間を作り上げた。紙で"しわ"を作るという、コントロールできるところとできないところを上手く利用し、まるで、地形や氷河のような自然物を彷彿とされる雄大な景色が生まれていた。 青山衣世さん「家ですごす幸せ」▼ 「家で過ごす幸せ」という作者のパーソナルな感情を、衣服によって表現した作品。家と外のオンオフの切り替えを、白い部屋着(長袖Tシャツ)と白いワイシャツをで比喩的に表し、それを教室の空間に整然と吊り下げた。また、それぞれの衣服には、着ている時にの感情が象徴的なコピーとして印刷されていた。例えば部屋着には「布団あったけぇ」というコピーのように。等身大の言葉と空間に美しく浮かぶ白い衣服のミスマッチな関係が、独特のおかしみを生んでいた。 川上桃子さん「らくがき」▼ 「らくがき」の楽しさを空間表現に結びつけた作品。普段から線画のドローイングが好きだとう作者が、そのドローイングが空間に滲み出していったらどうなるか…という妄想を小さな教室をまるごと使って表現した。白い紙で覆われた空間に、2次元のドローイングがいつのまにか3次元の立体物(黒い針金で表現)になり、最後はまた2次元の世界に戻っていくという、ドローイングに包まれる快楽を見事なストーリーとして具現化した。観る視点をきちんと設定したところも素晴らしい。 担当教員個人賞のご紹介: 藤森賞 斎藤正明くん「かけがえのない風景」▼ 橋本賞 上原俊くん「幸せの祭り」▼ 米谷賞(特別ゲスト:米谷ひろし氏) 五郎部栞さん「もろいものを壊す幸せ」▼ 増子賞(特別ゲスト:増子由美氏) 中暁洋くん「枝分かれする幸せ」▼ ベストパフォーマンス賞 鈴木真佑さん「NEWDAYS」▼ 総評: デザインの技術や方法というより、デザイン以前の個の想像力が問われる課題である。自分にとっての幸せのカタチを表現することは難しい。言い換えればそれは「デザイン」が向かうべき方向そのものでもある。今年の学生達も悩みながら、その問いに素直に向き合い表現に結びつけていた。完成度の高い作品も多く見られた。(藤森泰司非常勤講師)
by edd-news
| 2015-03-03 15:56
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