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デザイン2インテリア第1課題「集合住宅─名前のある日常空間─」
米谷ひろし准教授、橋本潤准教授ご担当のデザイン2インテリア第一課題「集合住宅」の講評が行われました。本課題の総合評価、参考作品を、メイン担当の米谷ひろし准教授によるコメントとともに、ご紹介致します。(satoy)



今回の課題はインテリアデザインの基本でもある以下の三点を経験していくことを目的とされています。
1)同一空間を異なる条件でデザインする
2)短期間でのエスキースとデザインワーク
3)基本的な寸法感覚を養う
最初にあげた「同一空間を異なる条件でデザインする」というのは、異なる居住者のライフスタイルをデザインすることです。次にあげた「短期間でのエスキース」とはいわゆる“考える時間”とそれを形にしていく“作業の時間”を意識することが大切です。考えながら作業することも、その逆の作業しながら考えることもありますが、その棲み分けを意識しているか否か、作業の中で気づいて欲しいと考えました。そして「基本的な寸法感覚」とは、どんな環境においてもおおよそ目的に即した空間やモノが用意されているように、課題の中でも全てを発明していくのではなく、標準値とは何かをおさえていくことからはじめて欲しいと考えています。住宅は何気ない日常を支えていく、安全で穏やかな空間であり、危険で緊張を強いるような場所ではありません。それは単なる珍しさのようなことだけで解決する問題ではないということです。そして常識となってしまったことに疑いを持つことで、何が必要で何が足りないのか、気付いて欲しいと思います。未来を切り開いてきたデザインは新しさだけではなく、それまでになかったものを発見することです。

以下、参考作品についてのコメント

デザイン2インテリア第1課題「集合住宅─名前のある日常空間─」_b0049355_14573382.jpg
上原峻くん
南北の畳空間は日本の原風景を現代的に翻訳していて、誰にとっても居心地良さそう。
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工藤和桜さん
南側を生活の中心にした割り切りの良い小上り空間を置き、奥との対比が効果的です。
デザイン2インテリア第1課題「集合住宅─名前のある日常空間─」_b0049355_15120533.jpg
近藤萌々さん
テキスタイルデザイナー家族のために提案された、全てにおいて愛情を感じる力作です。
デザイン2インテリア第1課題「集合住宅─名前のある日常空間─」_b0049355_15031698.jpg
佐藤小春さん
家族団らんと各個室における視線の配慮が細かくされていて、とても丁寧な提案です。
デザイン2インテリア第1課題「集合住宅─名前のある日常空間─」_b0049355_15061157.jpg
田丸文菜さん
「段にたまる」ということで、床の高低差を利用した、心地良く明快な提案です。
デザイン2インテリア第1課題「集合住宅─名前のある日常空間─」_b0049355_15040634.jpg
西村花子さん
さわやかな解放感とプライバシーの確保を、視線を考慮して巧みに提案しています。
デザイン2インテリア第1課題「集合住宅─名前のある日常空間─」_b0049355_15034658.jpg
星野雪音さん
床と天井の段差による提案は、図形的な面白さ以上に新鮮な居場所となっています。
デザイン2インテリア第1課題「集合住宅─名前のある日常空間─」_b0049355_15114134.jpg
森屋桃代さん
家族がオープンに見せ合うといった、積極的な設定を“まとめ抜いた”力作です。


上記の参考作品に共通しているのは、基本を押さえること、個性的な提案といった2大要素についてバランスがとれていることです。
上記以外にも興味深い提案はたくさんありましたが、それらに偏りが見られたり、仕事量の不足から設計密度が上がらなかった作品もありました。
評価ポイントは、住まう方、訪れる方、様々な「人への配慮」だったと思います。今後も労を惜しまず、自分の作品はもとより、様々なことに愛情こめ、そして製作に没頭して楽しくやっていければ、きっと良い成果を実感できるはずです。
米谷ひろし

by edd-news | 2016-05-25 14:45 | Grade 2
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