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デザイン2第一課題インテリア「集合住宅ー名前のある日常空間」講評
5月13日(火)、米谷ひろし准教授、富樫克彦教授ご担当の、デザイン2第一課題インテリア「集合住宅ー名前のある日常空間ー」の講評が行われました。
この課題における参考作品を、メイン担当の米谷ひろし准教授の評価ポイントの解説などのコメントとともにご紹介致します。

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(kh)



今回の課題はインテリアデザインの基本でもある以下の三点を経験していくことを目的とされています。
1)同一空間を異なる条件でデザインする
2)短期間でのエスキースとデザインワーク
3)基本的な寸法感覚を養う
最初にあげた「同一空間を異なる条件でデザインする」というのは、住宅でいえばリノベーションといった居住者のライフスタイルをデザインすることであり、異なる条件というのは多種多様な住まい方に対する回答を導き出すことです。それは商業空間のデザインにおいても「定食屋だったのがブティックになった」といったように、デザインの現場ではむしろこのようなケースの方が多いといえます。
次にあげた「短期間でのエスキース」とはいわゆる“考える時間”とそれを形にしていく“作業の時間”を意識することが大切です。考えながら作業することも、その逆の作業しながら考えることもあります。どちらも同じようですが、その棲み分けを意識しているか否か、作業の中で気がついて欲しいと考えました。時間の使い方は短時間で密度を上げたときに感じることだろうと思います。
そして「基本的な寸法感覚」とは、どんな環境においてもおおよそ目的に即した空間やモノが用意されているように、課題の中でも全てを発明していくのではなく、標準値とは何かをおさえていくことからはじめて欲しいと考えています。空間デザインの基礎を無視することは、ご飯を炊くのに水の分量がわからないのと同じようなことだと思います。
住宅は何気ない日常を支えていく、安全で穏やかな空間であり、危険で緊張を強いるような場所ではありません。それは単なる珍しさのようなことだけで解決する問題ではないということです。そしてこれまで世の中に大量に供給されてきたことで常識となってしまったことに疑いを持つことで、何が必要で何が足りないのか、気付いて欲しいと思います。未来を切り開いてきたデザインは新しさだけではなく、それまでになかったものを発見することだったということです。それは、にわかに湧いてくるものではないということも忘れないで欲しいと思います。

以下、参考作品についてのコメント

加藤結衣さんの作品▼
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南側リビングダイニングと主寝室との関係は親切設計だと感じます。廊下奥に和室が控えていることは適度な距離感が生まれて上手いと思います。

川上桃子さんの作品▼
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南側和室とその奥のダイニングとの関係はバランスが良いです。水回りをコアに回遊動線を持たせ、奥の主寝室に上手く繋がっています。

轡田拓也くんの作品▼
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南面ダイニングキッチンをこの家の顔にしたのは印象的で、その奥の半埋め込みソファーのような床座による溜りは楽しく寛げそうです。

斎藤正明くんの作品▼
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空間の仕切り方、そのバランス、動線計画、シンプルながら個性が発揮されている。やさしく落ち着きのある空間となっています。

鈴木萌々さんの作品▼
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コアのボリュームとその周りを回遊できる空間の関係が上手くいっています。シンプルでさわやかな色、素材が好印象です。

DAOTRANさんの作品▼
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南北を縦に使ったパブリックスペースが気持ち良いです。左右の壁面に機能的な収納が用意され、床の段差も効果的に空間を仕切っています。

樋川詩織さんの作品▼
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一人暮らしの料理研究家のパブリックとプライベートを分けるための壁面や床の段差、仕上の色分けといったシンプルな方法が上手くいっています。

中山梓さんの作品▼
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センターコアを介して空間を分割しています。奥へ向かう廊下に趣味を楽しむ空間が配置されることで主寝室の仕切りとなっています。

西川木乃美さんの作品▼
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屋外のアプローチから玄関入ってからの土間や和室、奥へ向かう一連の機能やしつらえが詳細にイメージされていて好感が持てます。

松原理沙子さんの作品▼
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機能的な空間ボリュームを片側に配置することで自然発生的な凹凸が大きな空間にメリハリを出しています。影の作り方が秀逸です。

谷田部有香さんの作品▼
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個室を片側に配置して残った細長い空間はややもすると狭くなりがちですが壁面収納と連動させた各エリアは使い勝手が良さそうです。

柳井結衣の作品▼
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土間から奥の空間への繋がりが絶妙です。各細部までイメージされた提案は、住まう人への配慮がされていて説得力がありました。

以上、基本的なことを押さえつつ、個性的な可能性を示している作品が多くあったのは嬉しいことでした。
参考作品以外にも興味深い提案はたくさんありました。
その差がどのあたりにあるかといえば、
「基本的な押えが出来ていること」
「作者の個性的な発見があること」
そして「住まう方、訪れる方、様々な人への配慮」だったと思います。
そういった違いを示すことは、どの領域でも同じでしょう。そのための労を惜しまず今後も楽しくやっていければと思います。

米谷ひろし
by edd-news | 2014-06-07 18:19 | Grade 2
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